学校・施設向け人工大理石カウンターの選び方
- 平井昌司
- 11月8日
- 読了時間: 13分

▶︎1. 人工大理石を使った特注対応カウンターとは?用途や特徴を解説

1.1 人工大理石カウンターの基本|住宅用と非住宅用の違い
人工大理石カウンターは、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材で、見た目の美しさとメンテナンス性を兼ね備えています。
住宅と非住宅では、求められる機能が大きく異なるため、設計や仕様もそれに合わせて変える必要があります。
【住宅用カウンターの特徴】
キッチンや洗面台など、水まわり中心に使われる
デザイン性や清掃性を重視
IHやガスコンロと組み合わせるケースが多い
傷の補修が比較的容易で、長く美観を保てる
【非住宅用カウンターの特徴】
学校・施設などで多人数が使用する前提
耐久性、安全性、耐薬品性が重視される
高さやサイズを用途に合わせて特注設計しやすい
シンクの形状や数を用途に合わせて調整可能
使う場所の特性に合った仕様選びが、長期的な満足につながります。
1.2 特注対応のメリットとは?既製品との違いを理解する
人工大理石カウンターを導入する際、「既製品で十分なのか?それとも特注が必要なのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実際には、使う場所や目的に応じて特注対応のほうが結果的に使いやすく、無駄がないケースが多いのが実情です。
【特注対応のメリット】
設置場所に合わせたサイズ・形状・高さの調整ができる
シンクの数や形状、収納構成などを自由に設計可能
IHや自動水栓など周辺設備との組み合わせにも柔軟に対応
用途に応じて表面仕上げや厚みの選定ができる
見た目と使い勝手を両立でき、設置後の不満が出にくい
【既製品との主な違い】
決まった規格サイズで設計の自由度が低い
コストは抑えられるが機能や収納に妥協が必要
設置スペースに「なんとか合わせる」設計になりがち
現場での微調整や追加工事が発生することもある
特注対応は初期コストこそ高くなりがちですが、長期的には「ぴったり合う快適さ」と「現場に無理のない施工」でコストパフォーマンスが高くなります。
1.3 人工大理石カウンターを導入する前に確認したいポイント
人工大理石カウンターは、見た目・機能性ともに優れた素材ですが、導入前にいくつかの重要なポイントを確認しておかないと、「せっかく設置したのに使いづらい」と感じてしまうこともあります。
特注対応であっても、計画段階での確認がとても大切です。
【事前に確認すべきポイント】
設置場所の寸法と搬入経路(幅・高さ・搬入制限など)
使用する人の属性(子ども向け・高齢者向けなど)による高さや角の仕上げ
用途別の表面仕上げ(調理用、実験用など)と耐久性のバランス
シンクの数や位置の最適化(作業導線と清掃性を考慮)
周辺機器との組み合わせ(IH、給排水設備、自動水栓の対応など)
メンテナンス性の確保(定期清掃のしやすさ、傷の補修方法など)
また、見落としがちなのが「使用頻度」と「長期的な使用を想定した設計」。毎日複数人が使う環境と、週に数回の使用では求められる耐久性が違います。
事前に使い方や現場環境を具体的に洗い出し、それに合った仕様を選ぶことが成功のカギです。
▶︎2. 学校や施設で人工大理石が選ばれる理由と特注対応の実例

2.1 学校・幼稚園・保育園での採用例とその理由
人工大理石カウンターは、学校や幼稚園、保育園などの教育施設でも多く採用されています。衛生面や安全面に配慮した設計が可能なこと、使う人の年齢や身長に合わせた調整ができることが、導入の決め手になっています。
【採用される主な理由】
子どもの身長に合わせて高さを特注設計できる
角の丸み加工ができ、安全性が高い
除菌スプレーや塩素系洗剤にも対応しやすい
傷がついても研磨によって補修できるため長期使用に適している
給食室や調理実習室でも使える耐熱・耐薬品性を持つ
【具体的な設置場所の例】
保育園:おむつ替え台や手洗い場
幼稚園:お絵描き用作業台兼用の流し台
小学校:調理室や理科室の作業用流し台
高校・大学:実験台とは別に、用具洗浄用の多機能流し台
こうした施設では、同時に複数人が使うため、シンクの数やサイズを柔軟に調整できる特注対応が必須となっています。
教育施設に求められるのは「安全性+衛生性+柔軟性」。人工大理石はそのすべてに対応できる素材です。
2.2 実験室や調理室で求められる人工大理石カウンターの条件
実験室や調理室などの専門的な作業空間では、作業内容に適した素材選びが欠かせません。人工大理石は耐薬品性や耐熱性に優れ、さらに加工性が高いため、特注対応によって作業効率と安全性を両立できる点が評価されています。
【実験室向けの要件】
薬品に対する耐性のある素材・表面仕上げ
洗眼用シャワー付きの流し台を併設できる
作業器具洗浄用として、広く深めのシンクが設計可能
薬品に対応した排水設計や素材選定が必要
【調理室向けの要件】
耐熱性が高く、熱い鍋などを一時置きできる
IHクッキングヒーターと組み合わせた設計が可能
複数人同時作業のため、シンク数や動線設計が重要
表面に細菌が繁殖しにくく、除菌清掃しやすい材質が理想
さらに、実験室や調理室は使用頻度が高く、道具の出入りも多いため、天板の強度や衝撃への耐性も必要になります。
使用環境のリスクに応じた特注設計を行うことで、安全かつ効率的な作業スペースが実現します。
2.3 安全性・耐久性・メンテナンス性が重視される背景
学校や各種施設で人工大理石カウンターが選ばれる背景には、使用頻度の高さと長期間の利用を前提とした環境があります。日々多くの人が使用する場所では、安全に配慮した設計と、劣化しにくい素材が求められます。
【安全性が求められる理由】
子どもや高齢者が利用する場面が多く、角の丸み加工などが必須
高さを使う人に合わせて調整できるため、転倒や無理な姿勢を防げる
滑りにくい表面仕上げなど、安全配慮のバリエーションが豊富
【耐久性とメンテナンス性の重要性】
傷がついても補修可能な素材なので、長く使える
薬品や熱に強く、劣化しにくい仕様も選べる
塩素系洗剤や除菌スプレーによる日常清掃にもしっかり対応
カウンター表面が非多孔質で、汚れや雑菌が染み込みにくい
こうした理由から、人工大理石は一時的な見た目だけでなく、継続的な安全と衛生の確保が必要な施設にとって理想的な素材として支持されています。
見た目の美しさ以上に、日々の使いやすさと清掃のしやすさが評価されています。
▶︎3. 人工大理石の材質や仕上げの違いから見る、用途別の特注対応ポイント

3.1 アクリル系人工大理石の特徴と適した用途
アクリル系人工大理石は、高い加工性と耐久性を持つ素材で、特注対応カウンターに広く使われています。見た目の美しさと長期使用に耐える機能性が特徴です。
【アクリル系の主な特徴】
耐衝撃性が高く、割れにくい
シームレスな仕上がりが可能で美しい外観
非多孔質で汚れや雑菌が染み込みにくい
高い耐熱性があり、キッチンでも使用可能
【適した用途】
住宅のキッチンや洗面台
保育園や医療施設など、衛生面が重要な場所
調理室や実験室など、耐久性が求められる場所
アクリル系はデザイン性と機能性を両立させ、高級感ある空間作りに最適です。
3.2 ポリエステル系人工大理石の特徴と適した用途
ポリエステル系人工大理石は、コストパフォーマンスに優れた素材で、特注対応カウンターにも適しています。見た目の美しさを保ちながら、予算を抑えたい場合に最適です。
【ポリエステル系の主な特徴】
比較的安価でコストパフォーマンスが良い
デザインの自由度が高く、色や柄が豊富
アクリル系より耐熱・耐薬品性が若干劣る
硬度があり、強度はしっかりしている
【適した用途】
住宅の洗面カウンターや小型の作業台
来客用トイレや控室のカウンター
使用頻度が高くない施設での導入に適している
ポリエステル系はコストを抑えながら、美しいデザインを実現できる素材です。
3.3 厚み・仕上げ・追加機能など仕様選定のチェックポイント
人工大理石カウンターを選ぶ際は、厚み、表面仕上げ、追加機能の選定が重要です。用途や設置環境に合わせて、最適な仕様を選びましょう。
【厚みの選び方】
標準:10〜12mm/高耐久仕様:20〜30mm
重量や使用頻度が高い場所には厚みを重視
【仕上げの種類】
鏡面仕上げ:美しい光沢が特徴、傷が目立ちやすい
マット仕上げ:落ち着いた印象、傷が目立ちにくい
【追加機能】
自動水栓や電池式水栓に対応
抗菌仕様や耐薬品仕様も特注で追加可能
シンクの数や形状を用途に合わせて調整
用途に合わせた仕様を選び、機能性と美観を両立させることが大切です。
▶︎4. 特注対応で人工大理石カウンターを導入する際に知っておきたい実務知識
4.1 設置時の注意点|床補強・電源工事・高さ調整など
人工大理石カウンターを設置する際には、事前準備が重要です。特に、重い素材や設備を使う場合は、しっかりとした設置環境を整えることが長期間の使用に繋がります。以下のポイントに注意しましょう。
【床補強の必要性】
重いカウンターやシンクを設置する場合、床の強度を確認
下地が不十分だと長期間の使用でたわみや不安定になる可能性
専門業者に確認し、必要に応じて補強工事を行う
【電源工事】
IHクッキングヒーターや自動水栓など、電源が必要な設備がある場合、事前に工事を計画
電池式の自動水栓もあるため、選択肢を考慮
【高さ調整】
子どもや特定の作業向けにはカウンターの高さ調整が重要
調整可能なカウンターを選ぶことで、使用者に合わせた作業環境を提供
設置時の準備をしっかり行うことで、安心して長期間使用することができます。
4.2 長く使うためのメンテナンスとお手入れ方法
人工大理石カウンターは、適切なお手入れを行うことで、長期間美しい状態を保つことができます。日常的なケアから、軽い傷の補修まで、しっかりとしたメンテナンスが重要です。
【日常的なお手入れ】
中性洗剤で表面を優しく拭き取る(食材の汚れや水垢に)
柔らかいスポンジを使い、傷がつかないようにする
水や汚れが残らないよう、拭き取って乾燥させる
除菌スプレー使用後はしっかり洗い流し、乾拭きする
【傷や汚れがついた場合】
軽い傷は研磨剤で修復可能
深い傷や欠けは専門業者による補修が推奨
定期的にメンテナンスを行い、長期間の美しさを保つ
【長期的なお手入れ】
耐熱性・耐薬品性が低下していないか確認
表面のコーティングを再施工する場合もあり
適切なメンテナンスを行うことで、人工大理石カウンターは美しい状態を長期間維持できます。
4.3 コストと機能のバランスを考えた仕様選びのコツ
人工大理石カウンターの大きな利点は、非多孔質な表面構造により、汚れや雑菌が染み込みにくいことです。これにより、清潔さを保ちやすく、衛生的な環境を維持できるという特長があります。
【汚れが染み込みにくい理由】
表面が密閉されており、汚れが内部に浸透しにくい
液体がこぼれても簡単に拭き取れる
食材や調理器具の汚れが残りにくい
【衛生面のメリット】
細菌やカビが繁殖しにくい
清掃が簡単で、除菌スプレーや中性洗剤で十分に対応できる
水垢や油汚れが残らず、表面が常に清潔に保たれる
【メンテナンス性】
定期的な拭き掃除で簡単に清潔を保てる
汚れや雑菌の繁殖を防ぐために、簡単な掃除で衛生環境を維持可能
これらの特性により、人工大理石カウンターは特に調理や医療施設などで重宝される素材です。
▶︎5. 人工大理石カウンターの特注対応を成功させるための準備と注意点
5.1 現場調査から仕様決定までの流れ
人工大理石カウンターの導入においては、現場調査を基にした仕様決定が重要です。現場の実際の状況を把握し、それに合った設計を行うことで、後々のトラブルを防ぎ、最適なカウンターを提供できます。
【現場調査のステップ】
現場の寸法やレイアウトを確認
使用目的や頻度をヒアリング(住宅・施設、特定作業の有無)
設置環境の確認(搬入経路、電源・水道の位置、床の強度など)
【仕様決定のポイント】
カウンターの形状やサイズ、シンクの配置を決定
高さ調整が必要かどうか、特注設計の有無を確認
周辺機器(IH・自動水栓など)の設置を考慮し、対応可能な仕様を選択
耐久性・メンテナンス性を重視した素材選定(アクリル系、ポリエステル系)
【提案と確認】
設置前に最終提案書を作成し、依頼者と確認
施工スケジュールと予算を共有し、スムーズな作業を目指す
現場調査から仕様決定までのプロセスをしっかり行うことで、納品後の満足度が大きく向上します。
5.2 自動水栓や多人数対応シンクなど、機能追加の活用例
人工大理石カウンターの特注対応では、多様な機能を追加することが可能です。施設や家庭での使い勝手を向上させるために、カウンターに機能を追加することで、より便利で快適な作業環境を作ることができます。
【自動水栓の活用例】
手をかざすだけで水が出る自動水栓は、衛生的で便利
特に調理室や医療施設で、手が汚れている場合でも簡単に操作可能
電池式やAC電源タイプがあり、使用環境に合わせて選べる
【多人数対応シンクの活用例】
学校や施設では、複数シンクを設置して多人数で同時に作業ができるように
シンクの配置や深さを特注で決めることで、作業の効率化と安全性を向上
個別の用途に合わせた形状(例えば、洗眼用シンク)にも対応
【その他の機能追加】
抗菌仕様のカウンターで、清掃性や衛生面を強化
高さ調整機能を追加し、使用者に合わせて快適に
収納を重視する場合、底板や背板なしでコストを削減する方法も
こうした機能追加により、使いやすさと効率性を大幅に向上させることができます。
▶︎6. まとめ
人工大理石カウンターを選定する際は、様々な要素を考慮し、慎重に検討することが重要です。ここでは、選定前に必ず確認しておきたいポイントをチェックリスト形式でまとめました。
【選定前に確認すべきポイント】
設置場所の寸法と形状
→ 設置スペースに合ったサイズを確認し、搬入経路を確保する
使用目的に応じた素材の選定
→ 住宅用と施設用で異なる仕様(耐久性・安全性・メンテナンス性)を選ぶ
カウンターの高さ・形状の調整
→ 使用者に合わせた高さ調整やシンクの配置を検討する
周辺設備(IH、自動水栓など)の設置可否
→ 必要な電源工事や接続の確認を事前に行う
耐久性や清掃性
→ 使用頻度や環境に応じて、適切な素材や仕上げを選択する
予算の設定
→ コストと機能のバランスを考慮し、必要な仕様を優先する
【事前準備】
現場調査を実施し、確認事項をリストアップ
施工業者と詳細な打ち合わせを行い、納期や予算の確認
これらのチェックポイントを確認し、選定から施工までスムーズに進めることが、成功への鍵です。
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