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ステンレス流し台は学校でなぜ選ばれる?材質と対策まとめ

  • 平井昌司
  • 10月4日
  • 読了時間: 12分
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▶︎1. 学校で使われるステンレス流し台の基礎知識


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1.1 ステンレス流し台が学校で選ばれる理由

学校では調理実習や理科実験、美術や図工の片付けなど、多様なシーンで流し台が使われます。そのため、設備には「丈夫さ」「清潔さ」「扱いやすさ」が欠かせません。


ステンレス流し台が学校で選ばれる主な理由はこちらです。


  • 耐久性が高い 陶器や樹脂と違い、強い衝撃でも割れにくい。子どもが誤って器具を落とした場合でも破損の心配が少ない。


  • 清潔さを保ちやすい 

    表面がなめらかで汚れが落ちやすく、食材の残りや絵の具、インクなども簡単に洗い流せる。水はけが良く、臭い残りも少ない。


  • 耐熱性に優れている 

    熱い鍋や器具をそのまま置いても変形しにくい。家庭科室や調理実習で特に便利。


  • メンテナンスがしやすい 

    日常の掃除が簡単で、先生や管理スタッフの負担を減らせる。


たとえば家庭科室で大人数が同時に調理を行う場面では、複数人がシンクを使っても水が詰まりにくく、次の作業へスムーズに移れます。


学校での流し台は「安全で快適に大勢が利用できること」が最も大事な条件。 その条件を満たすのが、ステンレス製の流し台です。


1.2 学校特有の利用環境と流し台に求められる機能

学校の流し台は家庭用と違い、多人数で同時に使う前提で設計されます。調理、実験、清掃、美術など幅広い活動に対応できる機能が必要です。


学校ならではの利用環境


  • 大人数が同時に使用する

  • 食材・薬品・絵の具など多様な汚れが発生

  • 使用者の年齢・身長差が大きい


求められる機能


  • 複数シンク:2槽や3槽で同時利用がスムーズ

  • 洗眼シャワー:実験室での安全対策

  • 身長対応:低学年向けに低めの高さも選べる

  • 傷補修のしやすさ:頻繁な使用でも長持ち


学校の流し台は「大人数でも安全に快適に使えること」が必須条件です。



▶︎2. ステンレスはなぜさびる?学校での注意点


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2.1 ステンレスはさびないのではなく「さびにくい」

「ステンレス=さびない」と思われがちですが、正しくは「さびにくい」素材です。鉄を主成分とした合金にクロムを含ませることで表面に酸化被膜ができ、この膜が空気中の酸素や水分から鉄を守っています。


つまり、ステンレスはさびないのではなく、さびにくい性質を持っているだけなのです。


学校の流し台は日常的に水に触れ、食品や薬品など多様なものが流れ込む環境にあります。酸や塩分、洗剤の残りなどによって酸化被膜が破壊されると、部分的に赤いサビが出ることがあります。


たとえば次のようなケースでは、ステンレスでもサビが出やすくなります。

  • 水分や汚れが長時間残ったままになっている

  • 塩分や酸性の物質が付着している

  • 他の金属から「もらいサビ」が移っている


ただし、日常的に正しい使い方とメンテナンスを行えば、学校での使用環境でもサビの発生をほぼ防げます。


よくある失敗としては以下の3つがあります。

  1. 使用後に水滴を拭かず、そのまま乾かす

  2. 塩素系洗剤を使った後にしっかり洗い流さない

  3. 鉄製の器具を長時間置いたままにする


これらを避けるだけでも、流し台を長く清潔に保つことができます。


学校の現場では毎日多くの人が使用するため、使った後に軽く拭くだけでもサビのリスクはぐっと減ります。先生や管理スタッフのちょっとした意識づけが、長持ちのカギになります。


2.2 材質による違い(SUS430・SUS304・SUS316)

一口にステンレスといっても、材質によって「さびにくさ」や「耐久性」は大きく異なります。学校で使う流し台を選ぶ際には、この違いを理解しておくことが大切です。


代表的なステンレスの種類には以下の3つがあります。


SUS430(フェライト系)


  • クロムを主成分とするステンレス

  • コストが比較的低く、磁性がある

  • 耐食性はやや劣るため、水回りよりは家具や内装材などで使われることが多い

  • 学校の流し台にはあまり適していない


SUS304(オーステナイト系)

  • 最も一般的に使われるステンレス


  • クロムとニッケルを含み、耐食性・耐熱性に優れる


  • 学校用流し台にもっとも多く採用されている材質


  • サビに強く、調理実習や実験など幅広い用途に適している


  • 長期的に見るとコストパフォーマンスが高い


SUS316(オーステナイト系・高耐食性タイプ)


  • SUS304にモリブデンを加えた材質

  • 塩分や薬品に強く、海辺や化学実験室など厳しい環境で使用される

  • 学校では理科実験室や特殊な環境で選ばれるケースが多い

  • 価格は高めだが、耐久性を優先する場面では有効


このように、同じステンレスでも特性に違いがあります。


たとえば一般的な家庭科室や給食室にはSUS304が最適ですが、薬品を多く扱う理科室ならSUS316が安心です。逆にSUS430はコスト面では優れますが、水回りではサビやすく、学校の流し台にはあまり向きません。


材質を正しく選ぶことで、サビを防ぎ、長持ちする流し台を実現できます。



2.3 学校で発生しやすいサビの原因(塩分・塩素・もらいサビ)と対策

ステンレスは「さびにくい」素材ですが、学校のように多人数が毎日使う環境ではサビのリスクが高まります。原因を理解し、正しい対策を取ることが長持ちのポイントです。


学校でよく見られるサビの原因

  • 塩分:食材の残りや汗が表面に付着し、乾かないまま残るとサビの温床になる。特に家庭科室や給食室で起こりやすい。


  • 塩素:除菌スプレーや漂白剤などの塩素系成分が表面に残ると、酸化被膜を壊してサビを誘発する。


  • もらいサビ:鉄製のバケツや器具を長時間置いたままにすると、そこから赤サビが移って広がる。


防ぐための基本対策


  • 使用後は水滴や汚れをきちんと拭き取り、乾燥させる

  • 塩素系洗剤や除菌剤を使ったら、必ず水で十分にすすぐ

  • 鉄製品は濡れたまま流し台に置かない

  • 週に一度は全体を中性洗剤で洗い、研磨スポンジで軽く磨く


よくある失敗例

  1. 使用後に水滴を拭かず自然乾燥に任せる

  2. 高濃度の塩素洗剤を使い、そのまま放置する

  3. スチール製の道具を流し台に置きっぱなしにする


これらはすべて、日常のちょっとした習慣で防げます。特に「使った後に乾いた布で拭く」だけでもサビの発生率は大きく下がります。


学校の現場では多くの人が関わるため、使う人全員が正しい習慣を守ることが大切です。サビは一度出てしまうと広がりやすいため、予防こそ最大の対策といえます。



▶︎3. 学校向けステンレス流し台の選び方


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3.1 傷が目立たない材質と加工方法

学校で使う流し台は、調理器具や実験器具を扱うため、表面に傷がつきやすい環境にあります。細かな傷が増えると見た目が劣化しやすく、汚れも付着しやすくなるため、材質や加工方法を工夫することが大切です。


傷が目立ちにくい仕上げ方法


  • ヘアライン仕上げ:一定方向の細かい線が入っており、使用中にできた傷がなじんで目立ちにくい

  • エンボス加工:細かな凹凸模様があるため光を拡散し、小傷をカバーできる

  • バイブレーション仕上げ:ランダムな模様で傷が分散しやすい


材質の選び方

  • 一般的に多く使われるのは SUS304。耐久性と耐食性が高く、補修もしやすい

  • 実験室など薬品にさらされやすい場合は SUS316 が適しており、傷や腐食への耐性がさらに高い


補修のしやすさも重要


  • 浅い傷は研磨スポンジやクリームクレンザクリームクレンザーで表面をならすことで改善可能

  • 深い傷でも再研磨である程度修復できる

  • 専用の補修材を使えば見た目を大きく回復できる


学校の現場では、傷は避けられないものです。しかし、「目立たない加工」+「補修しやすい材質」を選んでおけば、長期間にわたり清潔感を保ちやすくなります。見た目の美しさを維持することは、生徒や先生が気持ちよく使える環境づくりにも直結します。



3.2 子どもの身長に合わせた高さ調整のポイント

学校での流し台は利用者の身長差が大きく、学年ごとに適切な高さを考えることが重要です。高さが合わないと作業効率が落ちたり、姿勢に負担がかかったりします。


身長に合わせた高さの目安

  • 小学校低学年:約55〜70cm

  • 小学校高学年:約70〜80cm

  • 中学・高校・大学:約80〜90cm


調整の工夫

  • 設置時に対象年齢を考慮して高さを決める

  • 学校によっては学年ごとに異なる流し台を設置する

  • 最近は高さを調整できるタイプも選ばれている


子どもが無理なく使える高さを確保することで、安全性と使いやすさがぐっと高まります。


3.3 複数シンクや洗眼シャワーなど学校向け機能

学校では多人数が同時に作業するため、家庭用にはない機能が求められます。用途ごとに適した設備を備えることが大切です。


学校向け流し台に多い機能

  • 複数シンク:ガスコンロやIHクッキングヒーターとセットで設置されることも多く、同時作業を想定して2槽・3槽に分かれたタイプが一般的


  • 実験用洗眼シャワー:薬品が目に入った際にすぐ洗浄できる安全装備


  • 用具洗浄専用シンク:実験台とは別に、器具や美術道具をまとめて洗える専用の流し台が設置されるケースも多い


  • 自動水栓やシンク形状のカスタマイズ:衛生的で使いやすく、用途に合わせて設計可能


ポイント

  • 作業内容や人数に応じてシンク数や機能を選ぶ

  • 水道工事や電源工事が必要になるケースも考慮する


教育現場の安全性と効率を高めるには、複数機能を追加して環境に最適化することが重要です。



▶︎4. 長持ちさせるお手入れとトラブル対処法

4.1 学校での正しい日常メンテナンス方法

ステンレス流し台は正しく使えば長持ちしますが、日常のメンテナンスを怠るとサビや汚れが蓄積します。学校では多くの人が使用するため、基本的な習慣づけが大切です。


日常メンテナンスの基本


  • 使用後は水滴を拭き取り、乾燥させる

  • 中性洗剤で軽く洗い、汚れを残さない

  • 週に一度は研磨スポンジや柔らかい布で全体を磨く

  • 鉄製品や濡れた雑巾を置きっぱなしにしない


ポイント

  • 塩素系洗剤を使った後は必ず十分にすすぐ

  • 強い酸性・アルカリ性洗剤は避ける


毎日の簡単なお手入れが、ステンレス流し台を清潔で長持ちさせる最大の秘訣です。


4.2 サビやキズが発生したときの具体的な補修方法

学校の流し台は使用頻度が高いため、サビやキズは避けられません。しかし、早めに対応すれば悪化を防げます。


サビが出たときの対処

  • 軽度:メラミンスポンジや専用クリーナーでこすり落とす

  • 中程度:研磨スポンジで優しく磨き、再度水で洗い流す

  • 重度:業者に依頼して研磨・再仕上げを行う


キズがついたときの補修

  • 浅いキズ:研磨用スポンジでなじませる

  • 深いキズ:専門の補修材や研磨作業が必要


ポイント

  • 無理に強く擦ると表面を傷める

  • サビは放置せず、見つけたらすぐに処理する


小さな補修を繰り返すことで、長期間きれいな状態を維持できます。


4.3 除菌スプレーや塩素系洗剤を使うときの注意点

学校では衛生管理のために除菌スプレーや塩素系洗剤を使うことがあります。しかし、正しい方法を守らないとサビの原因になります。


使用時の注意点

  • 除菌スプレーは使用後に水で軽く流す

  • 塩素系洗剤は長時間残さない

  • 使用後は必ず水でよくすすぎ、乾いた布で拭き取る


避けたい失敗例

  • 拭き取りをせずに自然乾燥させる

  • 高濃度の塩素をそのまま使用する

  • 鉄製の器具と一緒に放置する


ポイント

  • 日常的な衛生対策には中性洗剤と水拭きで十分

  • 塩素系は「必要な時だけ、使ったら必ずリセット」が基本


清潔さと耐久性を両立するには、使い方の工夫が欠かせません。



▶︎5. ステンレス流し台の導入と施工ポイント

5.1 既製品とオーダーメイド、学校で選ぶならどちら?

学校で使う流し台を選ぶときは「既製品」と「オーダーメイド」のどちらにするかを考える必要があります


既製品の特徴

  • 価格が比較的安い

  • 納期が短く、すぐに設置できる

  • サイズや仕様は限られる


オーダーメイドの特徴

  • 設置場所や用途に合わせて自由に設計可能

  • 耐久性や使い勝手を優先できる

  • 製作に時間がかかり、コストは高め


選び方のポイント

  • コストを重視するなら既製品

  • 学校特有の環境や長期使用を考えるならオーダーメイド


教育現場では耐久性と使いやすさが重要なため、オーダーメイドが選ばれることが多いです。


5.2 設置場所・用途に合わせた仕様選び(収納内コストダウンも含む)

学校の流し台は設置場所や用途によって最適な仕様が異なります。無理に汎用タイプを選ぶと、使いづらさや耐久性不足につながります。


仕様を選ぶポイント


  • 設置場所:理科室・家庭科室・美術室など用途ごとに必要機能が違う

  • 床の補強:重量がある場合や解体後の状況により補強が必要

  • 機能性:IH対応や自動水栓を選ぶ場合は電源工事が必要(手洗い用は電池式が多い)


コストダウンの工夫

  • 収納スペースを重視しない場合、底板や背板を省略する仕様でコスト削減可能


学校ごとに条件は異なるため、「現場に合わせた仕様選び」が最も重要です。


5.3 施工業者に依頼するときの確認ポイント(知識・提案力・アフターサービス)

学校用流し台の導入では、施工業者選びが品質を左右します。単に価格だけで選ぶのではなく、現場対応力やアフターサービスを重視することが大切です。


確認すべきポイント


  • 現場施工の知識:解体後の状況や床補強などを理解して提案できるか

  • 提案力:設置環境や学年ごとの使いやすさを考慮した仕様を提案できるか

  • アフターサービス:設置後の点検や補修に対応しているか

  • メーカーとの連携:製造元と施工業者の連携が取れているか


信頼できる業者は「現場を理解し、長期的にサポートしてくれる存在」かどうかで判断できます。



▶︎6. まとめと株式会社ヒライファシリティーズのご紹介

6.1 学校に最適なステンレス流し台を選ぶために

学校の流し台は、多人数が同時に使うことや、調理・実験・清掃など幅広い用途に対応する必要があります。そのため、材質・機能・設置方法をしっかり選ぶことが大切です。


選ぶときのポイント


  • 材質は基本的にSUS304、薬品が多い環境ではSUS316を選ぶ

  • 高さは利用する児童・生徒の身長に合わせる

  • 給排水メンテナンスも考慮したキャビネット設計をする

  • 設置場所の条件やコストに応じて仕様を調整する


耐久性と衛生性を兼ね備えた流し台を導入することが、学校の安心・安全な学びの環境につながります。


6.2 株式会社ヒライファシリティーズにお声がけください

学校や各種施設で使用される流し台は、既製品では対応しきれないことが多くあります。株式会社ヒライファシリティーズでは、特注流し台や収納家具をはじめ、ステンレス製品の加工・販売を幅広く行っています。


特徴

  • 学校や施設の現場を見て、最適な仕様を提案

  • 特注でも安心して導入できるスムーズな製作体制

  • 小学校から大学まで幅広い納入実績あり


相談から見積もりまでは無料です。「現場に合わせた流し台を導入したい」と考えている方は、株式会社ヒライファシリティーズにぜひお声がけください。



▶︎学校向け特注流し台なら株式会社ヒライファシリティーズへ

学校や各種施設に合わせたオーダーメイドの流し台・収納家具を製作しています。実際の現場を見て最適な仕様を提案するため、使いやすさと耐久性を両立できます


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